2015年3月29日(日)、アメリカのミュージカル劇団PHAMALY(ファマリー)による来日公演が開催されました。15年にわたってバリアフリーイベントに携わり、様々な鑑賞サポートを実施してきましたが、この公演では新たな挑戦がありました。それは、視覚障害のある方たちがアメリカのミュージカルをライブで観るということです。
ライブで台詞が英語。いったいどうすれば視覚障害のある方たちもアメリカのミュージカルを一緒に楽しむ環境をつくることができるのか?
目の見えない・見えにくい人のための鑑賞サポートのひとつに副音声ガイドがあります。今回は近畿大学文芸学部に協力いただき、副音声ガイドと一緒に日本語吹替えをライブで流すことを実施しました。
この新たな取り組みを実施するために、日本語の台本作成、副音声スタッフと日本語吹替えスタッフによる稽古、ファマリー・副音声スタッフ・日本語吹替えスタッフそろっての読み合わせ、ゲネプロでの通し稽古など、多くの方たちが協力して実現できたサポートでした。
改善していかなければならない部分はあると思いますが、まずは地域の教育機関と連携した鑑賞サポートを実現できたことに新たな可能性を感じました。
作品/THE FANTASTICKS
著作・歌詞/トム・ジョーンズ
音楽/ハーベイ・シュミット
出演/ブライス・アレクサンダー
舞台制作/ファマリーシアターカンパニー
PHAMALY(ファマリー)
アメリカのミュージカル劇団。1989年にアメリカ・コロラド州デンバーで非営利活動団体として設立。演劇・音楽・ダンスに触れる機会の少ない障害者や芸術活動を望む障害者、自己の想いや表現力を求める障害者に対してミュージカルを手法に可能性を見出し、舞台芸術の世界から就労・自立・社会参加を実現。クオリティーの高い舞台、良質な作品を提供するために公演ごとにオーディションをおこない、学生や主婦、ハリウッド俳優など、さまざまな経歴のある人たちが選ばれ、個性・能力・新たな成長を身に付けるために日々の練習を繰り返して舞台を作り上げている。