長谷川達也さん率いるDAZZLEダンスカンパニーとオーディションを通過した7人の障害のあるダンサーたちで、シンガポールで開かれるアジア太平洋障害者芸術祭の作品づくりを進めています。先日、日本財団の広報担当が稽古に参加するダンサーたちのインタビューを取りに来たのですが、ついでに私も少しお話をさせていただきました。本当に「ついで」だったので、どこにも私のコメントは載らないと思います(笑)。
話の内容は、この事業における私の役割と最終的な目的についてでした。ここでの私の肩書きはアクセシビリティディレクター。障害のある人が鑑賞者や表現者、運営者として文化芸術に関わっていけるようにするための支援(サポート)をコーディネートするのが私の役割です。インタビューしてくれた方が「じゃあ、南部さんの最終目的はその支援を広げることですね」と言ってくれました。もちろん広げることは目的ですが、そのために字幕や音声ガイドといった鑑賞支援が産業として成り立っていくことが重要です。障害のある人への「支援」というと、無料や格安と思う方が多い。それが当たり前になってしまうと、支援に関わる人は疲弊してしまい、誰もやりたいと思う仕事ではなくなってしまいます。
昔、近畿大学の阪本教授からいただいた手紙の中に「志ある者が儲かる社会にならなければならない」という言葉がありました。まさにその通りだと思います。
私の最終目標、それは舞台芸術における鑑賞支援に関わりたいと思える人が増え、その仕事が産業として発展していくことです。