ビッグ・アイで災害時要援護者支援ボランティア養成講座が開講され、制作・運営スタッフとして携わりました。最終日の講師は、ダイバーシティ研究所の田村太郎さんでした。田村さんのお話にとても共感したのでご紹介したいと思います。
—–田村さんのお話し—–
ガイドヘルパーによる外出支援が充実してきた一方で、障害者はガイドヘルパーとしか接しないという現象が起こっている。ヘルパーが充実すればするほど、障害者が地域コミュニティと関わる機会が減ってしまう。すなわち、地域コミュニティから障害者を排除した社会をつくってしまっていることになる。障害者も地域コミュニティに参加することが災害時でも大切。障害者が普段から地域コミュニティに参加するきっかけのひとつが避難訓練だと思う。
理想論になるかもしれないが、災害時に「福祉避難所をつくる」という障害者を排除する発想ではなく、インクルーシブな考え方が必要。そのためにも、障害者や高齢者、疾病を患ってる人や妊婦、在日外国人など、多様な参加者を想定した防災訓練の実施が大切になってきている。
———————–
まさに劇場もそうあるべきだと思いました。
様々な参加者を想定した事業企画、文化プログラムづくりがこれからは必要です。この半年間、いくつかのホールや行政の方のお話を伺いました。その中には、「うちにはあまり障害のある方は来ないからね~」であったり、「車いすの対応をしてるから大丈夫」とおっしゃる方もいました。障害のある方が来ないのではなく、行きたくても環境が整っていないから行けないのです。
障害のある方も来ることのできる環境をつくる。来ていただくことで声を拾うことができ、多様なニーズを収集することができます。障害者が訪れることのできる劇場づくりは、地域コミュニティづくりにつながれる環境づくりとなり、地域のみんなにとって優しい社会をつくることにつながると思います。
ビッグ・アイ災害時要援護者・支援者のための防災・減災講座
【講座1】災害時要援護者支援ボランティアリーダー養成講座
会場:ビッグ・アイ(国際障害者交流センター)
日時:2016年2月22日(月)10:30~17:30、23日(火)10:30~16:30
講師:ゆめ風基金 八幡隆司氏 / ダイバーシティ研究所 田村太郎氏