アドバイザーブログ

しまねアートマネージメント講座 ~鑑賞サポートがアリバイになってはならない~

島根県にバリアフリーイベント講座の講師として行ってきました。劇場関係者を中心に50名ほどが傍聴に訪れていたのですが、驚いたのは視覚障害者の方が一般で9名(内、盲導犬3組)、精神障害者の方が1名参加されていたことでした。劇場はこれからどう変わっていくのか。自分たちもかかわることのできる劇場になるのか。そのためにどんな勉強会を実施しているのか。とても高い関心があったようです。

今回の講座では、4月から施行される障害者差別解消法で一体何が変わるのか。バリアフリーイベントをつくっていくためには何が必要なのか。一番はじめにしなければならないことは何なのかについて話をしてきました。

私は第1部を担当させていただき、第2部はユニバーサル鑑賞推進団体Reading ACT代表の田中京子さんと島根ライトハウスの庄司さんによる「体験・音声ガイド解説」が実施されました。田中さんと庄司さんとは控室で今後のバリアフリーイベントについての話がとても盛り上がりました。田中さんの言った「鑑賞サポートが(バリアフリーイベントの)アリバイになってはならない!」という言葉がとても印象的でした。私もその通りだと思いました。

「とりあえず、鑑賞サポートを付けておけばバリアフリーイベントを実施したことになる」そんなところも今後は出てくるかもしれません。果たして、それで本当に障害のある方たちが劇場に訪れるのでしょうか?何が目的だったのでしょうか?そのことを間違えないでいただきたい。

講座終了後の質疑応答時間では、質問のほか色々な感想も聞かせていただきました。本当に意識の高い方たちが参加していた講座でした。主催者からは、これを機にできることから積極的に取り組んでいきたいという言葉もいただきました。

みなさん、素敵なご縁をありがとうございました。

(おまけ)
翌日は足立美術館にだけ立ち寄らせていただきました。電車の時間の関係もあり、あまりゆっくりとはできなかったのですが、すばらしい日本庭園や横山大観をはじめ、たくさんの画家の作品に触れることができました。ありがとうございます。

平成27年度文化庁文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業
アートマネージメント講座 「バリアフリーイベント講座 だれもが参加できる催しづくり~バリアフリー観劇を学ぶ~」
主催/島根県・公益財団法人しまね文化振興財団(島根県民会館)
日時/2016年2月27日(土)13:30~18:00
講師/第1部・南部充央(株式会社リアライズ) 第2部・田中京子(ユニバーサル鑑賞推進団体Reading ACT)
場所/松江市民活動センター SITCビル

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