アドバイザーブログ

近畿大学の芸術教育論講義にゲストティーチャーで参加

近畿大学(文芸学部芸術学科)の演劇教育論講義にビッグ・アイの鈴木さんと一緒にゲストとして参加させていただきました。

はじめに、生徒のみなさんから「社会と演劇のかかわり方について、民主主義における欠点とは」について今まで学んでこられたことを発表いただきました。民主主義の欠点、それは少数派意見が反映されない(されにくい)ということ。多数決によってマイノリティはマジョリティの理論で動いてしまう。演劇には社会にメッセージを発信する力がある。では、少数派が芸術を楽しめる社会にするためには何が必要なのか?
このことを考えていくきっかけとして障害者も参加できる文化芸術事業に取り組んでいるビッグ・アイの事例を紹介してきました。私は、バリアフリーイベントディレクターとして具体的な鑑賞支援についてお話をさせていただく時間をいただきました。

鈴木さんの話「障害は人にあるのではなく、人と社会の間の環境にある」を前提に、その環境を整えることが鑑賞支援になり、整えるためには何をしなければならないのかということを伝えさせていただきました。「鑑賞支援」と言うと多くの方が車いす席や字幕表示、副音声などを想像します。しかし、それだけを用意したからといって障害者が参加できる環境が整ったとは言えません。字幕や副音声といった支援は座席に座ってからのことです。座席にたどり着けない可能性があることを想像したり、会館に来るまでの苦労を知ることが必要なのです。鑑賞支援は「知ろうとする努力」からはじまります。
「高い意識があっても理解がなければ少数派も芸術を楽しむことができる社会を創っていくことはできない」というメッセージを伝え、私の話は締めくくらせていただきました。講座終了後、受講した生徒さんからいろいろな意見をいただき、私自身も大変勉強になりました。

講座の最後に、阪本先生から「少数派が芸術を楽しめる社会にするためにはソーシャルイマジネーション=社会的想像力が必要」という素晴らしい言葉が付け加えられました。阪本先生、このような貴重な機会をいただきましてありがとうございました。

近畿大学

2015年7月7日(火)13:10~
近畿大学文芸学部芸術学科

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