アドバイザーブログ

東京芸術劇場の取り組み

先日、東京芸術劇場のスタッフの方と「鑑賞サポートの可能性」について話をする機会をいただきました。
東京芸術劇場ではすでに鑑賞サポート付き公演に取り組んでおり、27年度上半期では4つの演劇公演が対象となっていました。具体的には、視覚障害者のための舞台説明会と聴覚障害者のためのポータブル字幕機貸出しサービスです。ポータブル字幕機を貸出す際には、手話通訳または要約筆記による説明を実施するなど配慮された点もありました。その他、障害者割引(※公演によっては付添者も割引対象となるものもあり)などのサポートも実施されていました。お話を聞くと、積極的に障害者への広報にも取り組んでおられました。しかし、障害者の集客という部分では色々と苦労もあるようでした。

今回、お話をさせていただいた中で私自身(南部充央)が感じたことは、「せっかくの取り組みが伝わっていない」ということでした。東京芸術劇場の取り組みは非常に意識が高く素晴らしいものです。だからこそ、まずはその取り組みを障害者の方々に知らせることが必要になります。障害者が実際にチケットを申し込める、来られた障害者が「自分たちも演劇を楽しめる」と感じてもらえる環境が必要になると思います。このことは、今後多くの劇場が経験するのではないかと思いました。

今回の話で、劇場におけるバリアフリーイベントの現状を知ることができたような気がしました。今後、是非とも一緒にバリアフリーイベントをつくっていくことができればと思いながら劇場を後にしました。お忙しい中、貴重なお時間を割いていただきました東京芸術劇場のスタッフの方に心から感謝いたします。

東京芸術劇場のチラシ

東京芸術劇場
東京都が都民のための音楽・演劇・歌劇・舞踊等の芸術文化の振興とその国際的交流を図るため、芸術文化施設として平成2年10月に開館。

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