視覚障害者の外出をサポートする同行援護研修を受けてきました。研修の中で視覚障害のひとつである「色覚異常」についてゲスト講師の高橋さん(NPO法人TrueColors代表)から指導をいただき、はじめて色覚検査が必須検査から外されている事を知りました。2003年より小学校での色覚検査が廃止されていたのです。(※28年度より復活予定)
私はこの日、はじめて色覚補正レンズを体験し、赤やピンクの色が見えない世界を経験しました。補正レンズを通して見た満開の桜の写真はピンク色の花びらが白に見えました。赤やオレンジ、黄色に色づいた紅葉の写真は汚い茶色に見えました。色覚テストで使う「52」と書かれているように見えるカラードット数字は「89」に代わりました。
検査が廃止されたために色覚異常ということに気付かずに大きくなった人もいるかもしれません。色覚異常への理解も減った可能性もあります。知らず知らずに「これが見えないんですか!」という言葉を色覚異常の方に使ってしまっていたかもしれません。
高橋さんから色覚を補正するメガネが販売されていることを教わりました。メガネの価格は7万円くらいだそうです。普通のメガネに比べると高価に感じました。
高橋さんの講座は「知らないということが人を傷つける。マイノリティがカミングアウトできる社会(環境)をつくることが大切」というメッセージで締めくくられました。
私どもの「バリアフリーイベント研修講座」も同じです。障害のある方たちを迎えるバリアフリーイベントを実施したいと思った時、はじめにしてほしいことは「障害者を知る」ことです。このことがない上に私たちがやってきたことをお伝えしても、誰もが参加できる劇場という環境を作ることはできません。
今回、全部で5日間の同行援護研修を受けさせていただきました。今後の劇場は、こういった専門家との連携が必須になってくると感じました。