アドバイザーブログ

劇場体験プログラムで感じたこと

1年前からはじまったビッグ・アイの新しい事業「劇場体験プログラム」。この事業は、知的や発達障害の方たちも劇場を利用できるようにしていくための事業です。

劇場体験プログラム3日目はオペラ公演でした。前回(9月)の映画鑑賞会が1日目で、今回は最終回。あれからどう変わったのか?知的・発達障害の方たちは劇場に慣れたのか?

映画鑑賞会の時は上演してしばらくの間、客席はざわざわしていました。ブザーの音や会場が暗くなるごとに大きな声を出す方もいました。中には、その時点で退場する方もいました。しかし、後半は集中力が高まり多くの方たちが静かに鑑賞していました。
3日目のオペラ公演では、この状況がどんな風に変わったのか楽しみです。

開場の時に感じたのは1日目の映画鑑賞会より少し参加人数が減っているということでした。たまたま都合が悪くて来れなかったのか、あるいは劇場が楽しいところだと感じられなかったのか。好きなジャンルの公演ではなかったのか。いずれにしても、また足を運んでくれることを期待します。

さて、いよいよ本番です。前回同様、本番がはじまると司会者と手話通訳者が登壇し、劇場のルールを説明しました。ブザーが鳴り、客席が暗くなる環境を実際につくって説明しました。映画鑑賞会のときは、この段階でたくさんの声が聞こえましたが、今回は何人かの声は聞こえましたが前回に比べると圧倒的にその数は少なく、また短時間でおさまりました。みんな少し劇場に慣れたのだと感じました。

今回のオペラ公演は、ドイツ語だけでなく大阪弁でも歌うなど、とても楽しい内容になっていました。それでも30分くらいしたあたりから少しずつ客席から声が聞こえ出し、退出する方もいました。退出してくる方の多くは10代以下でした。

しかし、終演すると大半の方はニコニコして出てきました。楽しかったのか喜んで握手してくれる方もいました。多くの方が劇場は楽しいところだと感じてくれたようです。少しざわざわする時間帯もありますが、それでも随分と練習の成果は出ていたと思います。知的・発達障害の方たちが劇場に慣れるにはもう少し時間が必要かもしれません。

劇場体験プログラムがビッグ・アイだけではなく、全国の様々なところで継続的に開催されることを期待します。

知的、発達障がい児(者)にむけての劇場体験プログラム
主催/共に生きる地域の‘絆’プロジェクト委員会
協力/全国手をつなぐ育成会連合会
会場/ビッグ・アイ(国際障害者交流センター)多目的ホール

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