先日、ビッグ・アイで開催された「劇場体験プログラム」で導入されていた「遠隔情報保障システム」を担当しました。
「遠隔情報保障システム」とは?
おもに聴覚障害者への情報サポートとして、司会や出演者の言葉・歌われる歌詞などを聞き取り、リアルタイムに文字入力して会場の大きなモニターへ字幕表示する「パソコン要約筆記」のひとつです。
通常は、専門技能を持った文字入力作業者数名が直接現地へ赴き、リハーサルから本番終了まで従事しますが、文字入力専門者を身近で確保することや、イベント会場まで来てもらうことが難しい場合もあります。
そこで、専門者は遠方にいながら、現地にいるのと同じクオリティでパソコン要約筆記を利用できるようにと開発されたのが「遠隔情報保障システム」です。
今回は知的・発達障害児に向けてのプログラムですが、聴覚に障害がない子どもでも聴覚過敏により、字幕で読むほうが情報を取り入れやすい子もいるので字幕表示の用意が必要でした。
さて、今日の演目はオペラ。会場の舞台映像と音声を遠方(今回は沖縄の専門企業と連携しました)の文字入力者へ送り、入力担当者がその映像と音声をたよりに字幕表示を行います。
あらかじめ司会の原稿や曲目などは事前に送って準備してもらっていますが、やはり舞台はナマモノ。たくさんのアドリブもあり現場でのさまざまな調整や対応が必要となります。
素早いセリフの掛け合いや、イタリア語の歌声に日本語訳の歌詞表示をピッタリ合わせることなど、いかに適切なタイミングで字幕を表示するかが求められましたが、出演者の動きや歌声に注意しながらこちらから細かく合図を出すことで、なんとかうまく対応することができました。
終わってみると、みなさん楽しんでもらえたか?臨場感が伝わってるかな?など、毎回気になります。聴覚に障害がある方たちにこのような対応をすることで、舞台を楽しめるようにこれからもっと私の知識も技術も向上させていき、少しでも全国に広げていきたいと思います。
担当:藤巻修