一年前、流山市文化会館(千葉県)で行政・企業・地域と私どもリアライズが一緒になって『バリアフリー高校演劇鑑賞会』をつくりました。
1年目に取り組んだこと、それは“学びと実践の場を地域で共有する”ことでした。そのおかげで、流山周辺の図書館や複合施設、文化会館ではどんどん障害のある人も参加できる取り組みが進み、いくつもの事業が「beyond2020プログラム」に承認されています。嬉しいことに、承認がおりるたびに「beyondマーク、取れましたー!」と私に報告してくれます。
そんな流山の2年目の挑戦は、鑑賞者を迎える運営スタッフも高校生に担ってもらうということです。高校生を対象に「だれもがこれる環境づくり」の研修を実施したのが夏でした。本番は10月でしたので、研修からは少し時間が経っていました。忘れてないかな~と少し心配してましたが、本番では私の心配をよそに高校生たちはしっかりと仕事をしてくれました。
来場者の中に白杖を持った視覚障害のある人がいると、さっと近づき「ご案内します!」と元気よくアプローチ。その声に、来場者も「お願いします!」と嬉しそう。高校生に手引きされてホール内に進んでいく姿に見とれてしまいました。
この日は台風21号が接近中で激しい雨。しかも、選挙投票日。決していいコンディションではありませんでしたが、それでも足を運んでくださったみなさまに感謝です!
まだまだ障害のある人の環境づくりが進んでいない中、築50年を迎えようとしている流山市文化会館では若者がインクルーシブシアターを目指し、自ら障害のある人たちと触れ合い、交流することでお互いの理解を深める動きがスタートしています。
流山は予算や人員が余っているわけではありません。むしろ予算はありませんし、人員も最低限しかいません。それでも「障害のある人たちはどうすれば来れるんだろう」ということを想像し、自分たちにできる工夫を実践しています。
流山の事業に関われて本当によかったです。
来年の流山はどんな工夫をするんだろう?
今から来年が楽しみです!
バリアフリー演劇鑑賞会
県立柏の葉高校演劇部 作品「旅猫リポート」