6月、熊本にバリアフリー研修に行ってきました。この日は、愛知大学の吉野さつき先生とビッグ・アイの鈴木京子さんの3人による研修でした。こういった研修の時、いつもそれぞれバラバラに時間が用意されていて、順番に話をするというケースが多いのですが、今回は3人で研修プログラムづくりに取り組み、実践しました。
今回の熊本県立公立文化施設協議会からの要望は「初歩的なところからの話をしてほしい」ということでした。研修を実施した結果、熊本のホールがちょっとずつでも取り組んでみようかな〜と思ってもらうことが狙いでした。
そこで、私たち3人が相談した研修プログラムは「実践者の考え方を伝授する」ことでした。
多様な人たちが生きる現代社会。単純なことは解決できても、複雑になってくると、悪気はなくても知らず知らずの間に排除を生んでしまう。そのことを体験してもらい、どうすれば誰もが参加できる環境をつくっていくことができるのか、何からスタートすればいいのか、結果、どういう環境になりたいのか、そのことを自分たちで考えることができるプログラムをつくりました。
先進的な事例をみて「よーし、うちの館でも!」と思ってやってみるけど、思ったような結果がでない。なぜ、うまくいかないのかもわからなければ、何をどう改善すればいいのかもわからない。そんな経験をした人もいると思います。
これって、結局は「やっていること」を真似ただけで、「やりかた(=考え方)」は伝授されていないってことじゃないでしょうか。あるいは、「やりかた(=考え方)」を真似したけど、自分たちの館や地域に置き換えて、活用できる形に変換できていないのかもしれません。
今回の研修プログラムは、私にとっても有意義なものでした。いつもやっている自分の研修が、さらに深化した姿をみることができて、とてもよかったです。