1年前からはじまった「劇場体験プログラム」。この事業は、知的や発達障害の方たちも劇場を利用できるようにしていくための事業です。今回は映画上映会の体験プログラムでした。
上映会終了後には交流会が開催され、私もオブザーバーとして参加させていただきました。そこで聞けたとても貴重なお話をご紹介させていただきます。
【エピソード1】
どっちも遠慮なしの空間
今回の参加者は全員が知的や発達障害者のため、上映中に声が出てしまってもいいし体が動いてしまってもいいので、遠慮しないできてくださいということでした。上演中、やっぱり声が出てしまう子がいました。しかし、驚いたのはその子に対して他の人(知的・発達障害者の同伴者)が「うるさい!」と注意したことです。知的や発達障害者にも社会的ルールとマナーは必要。ここにはどっちも遠慮なしの空間があったことが良かったです。
【エピソード2】
ガラガラの商店街にある映画館は練習場になる
普通、映画館に入るなんてドキドキです。声を出してしまったら最後、周りから「うるさい!」と怒鳴られます。その時点でアウト。もう二度と行きたくない場所になります。でも、子どもに映画を体験させたい。慣れれば席に座って見れるはずだとわかっている。しかし、慣れるまでの場所がない。そこでよく活用したのが商店街にあるいつもガラガラの映画館でした。そこの映画館にはいつ行っても2~3人しか観客はいませんでした。そこに連れていき、劇場で映画を観れるように練習しました。だから今日も映画も見ることがきました。
知的、発達障がい児(者)にむけての劇場体験プログラム≪第2回≫
■主催
共に生きる地域の“絆”プロジェクト委員会
協力:全国手をつなぐ育成会連合会
助成:独立行政法人国立青少年教育振興機構
■会場
ビッグ・アイ(国際障害者交流センター)多目的ホール