アドバイザーブログ

ピッコロシアターでスタッフ研修

尼崎市の兵庫県立尼崎青少年創造劇場ピッコロシアターで「バリアフリーイベントスタッフ研修」の講師を務めました。今回は、劇場からのリクエストで「聴覚障害・避難誘導編」の講座となりました。

私自身、学生の頃に手話サークルに入っていたこともあり、聴覚障害のある学生と一緒に過ごした経験や、これまでのイベントで出会った聴覚障害のある出演者やスタッフ、参加者との体験談も交えてお話ししました。

「手話」で話す「ろう者」の世界には、特有の言語体系、文化があること、「手話」には「日本手話」と「日本語対応手話」があることなど、聴覚障害者の中にある「ろう者の文化」について触れました。

次に、ホール運営に必要な手話での簡単な挨拶や指文字のレクチャーです。ピッコロシアターのスタッフさんに手話のできる方がいたので、急きょ助手を務めていただきました。指文字とは、50音を指(手)の形や動きで表すもので、形の由来も説明しながら覚えていただきました。「か」の指文字はアルファベットの「k」が由来なのですが、みなさん指を曲げたり伸ばしたり、簡単そうだけど指をつりそうになりながら挑戦していました。

そして、避難誘導編。通常のホールで行われる避難訓練の基本動作に、障害者サポートの基本的な注意点や誘導(手引きなど)を加えます。以前、ホール独自で実施した避難訓練で人を乗せたままの車イスをどう運ぶかで悩んでいたと伺っていたので、実際にやってもらいました。

車イスは簡単に取り外しができる部分があるので、必ず固定しているところをつかんで持ち上げてもらいました。男4人で持ち上げたので楽々でしたが、避難する距離や経路、地震や火災などの状況によっては、車イスの人を抱きかかえたり、おんぶしたり、または両サイドに人を挟んで肩を貸して逃げなければなりません。

絶対この方法でサポートしないといけないとルールはありません。どのようにすれば安全で負担なく逃げられるのか、その場の判断が重要になります。日ごろから避難誘導のシミュレーションを想像豊かに考えて、実際にやってみることが一番の備えだと思います。

スタッフ:武田誠

講師を務める武田誠

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